たんぱく質とは
人の体内の水分量は約60%です。残りのうち約15~20%はたんぱく質でできており、体内を占めるたんぱく質の割合は多いです。たんぱく質は20種類のアミノ酸からできています。そのうち9種類は体内で作り出すことができないアミノ酸です。これらを必須アミノ酸と呼んでいます。これらは食事でしか摂取できません(1。
たんぱく質の役割
たんぱく質によって体の筋肉や臓器、肌、髪、爪、体内のホルモンや酵素、免疫物質などを作り、栄養素の運搬を行っています。またエネルギーが消費される際に、アミノ酸としてその一部にもなっています。以上のようにたんぱく質は生きてくうえで必要な栄養素です。
身体的フレイル予防、治療に必要なたんぱく質摂取量の目安
フレイル予防に努める場合と、フレイルを治療する場合に分けて以下のように摂取量が推奨されています。ただし、治療に関してのエビデンスは低いため、今後の研究が期待されます。
予防:たんぱく質摂取・・・1.0g/kg/day以上(1日あたり体重1キログラムに対してたんぱく質1.0グラム以上)
治療:たんぱく質摂取・・・1.2-1.5g/kg/day(1日あたり体重1キログラムに対してたんぱく質1.2-1.5グラム以上)
たんぱく質の「質」も重要
たんぱく質を作っている必須アミノ酸のなかで、たんぱく質を増やすために必要な量に対して、不足しているアミノ酸を制限アミノ酸と呼んでいます。以下の左図の中では小麦の中で主にリジンが制限アミノ酸となっています。右図のように制限アミノ酸が少ないたんぱく質が良質なたんぱく質とされており良質なたんぱく質を多く含む食品は肉、魚、卵、大豆、乳製品です。また小麦のような制限アミノ酸が含まれている食品を摂取する場合、その制限アミノ酸を補えるようなバランスの良い食事の他、必須アミノ酸を含む栄養補助食品の併用が有効とされています(1。
出典:味の素株式会社ホームページ アミノ酸大百科
たんぱく質摂取のタイミング
筋肉は合成と分解を繰り返しています。食後には筋肉の合成が起こり、食事をしていないときは筋肉の分解が起こり、これらを繰り返すことで筋肉量は一定に保たれます。仮に摂取するたんぱく質の量が十分でないと筋肉の分解が筋肉の合成を上回り筋肉量が減少してしまう恐れがあります。
ある研究では高齢者では食事のなかでも特に朝食でのたんぱく質摂取量が少ない傾向があるようです(2。また、一日のうちの総たんぱく質摂取量に関して三食が偏った群と三食均等に摂取した群を比較したところ、三食均等に摂取した群の方が筋肉の合成が効率的に行われることが分かっております(3。ちなみに運動後の1時間以内がピークになるため、その間でのたんぱく質摂取が推奨されています(4,(5。
ビタミンDの働きも重要
ビタミンDが欠乏して生じるくる病や骨軟化症といわれる病気では、ミオパチーといわれる筋力低下や筋委縮などの症状が認められることが分かっています。またビタミンDが欠乏しているような高齢者に関しても同様に筋力低下や筋委縮をきたすことが報告されています。これらのようにビタミンDの欠乏は筋肉の機能調節に必要なホルモンであることが分かっています(6。
注意点
たんぱく質の過剰摂取に注意してください。肝臓や腎臓に障害を持たれている方は高アンモニア血症や尿毒症の危険性がありますので一度かかりつけの医師に相談してみてください。
高アンモニア血症:体内で生成されたアンモニアを分解することができず、血液中にアンモニアが蓄積する病気です。症状は吐き気や嘔吐、呼吸困難、意識障害、けいれんなどです。
尿毒症:体内から老廃物や不要な物質を排泄することが困難な状態で全身に症状が表れます。症状は全身の疲労感やだるさ、頭痛、意識障害、けいれん、認知症のような症状、呼吸困難感、貧血などです。
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参考文献)
1)日本サルコペニア・フレイル学会 編:サルコペニア・フレイル指導士テキスト,新興医学出版社,2020年4月
2)Bollwein J,Diekmann R,Kaiser MJ.et al.:Distribution but not amount of protein intake is associated with frailty:a cross-sectional investigation in the region of Nurnberg.Nutr J 12(1):109,2013
3)Mamerow MM,Mettler JA,English KL,et al.:Dietary protein distribution positively influences 24-h muscle protein synthesis inhealthy adults.J Nutr 144(6):876-880,2014
4)Burd NA,West DW,Moore DR,et al.:Enhanced amino acid sensitivity of myofibrillar protein synthesis persists for up to 24 h after resistance exercise in young men.J Nutr 141(4):568-573,2011
5)Lemon PW,Berardi JM,Noreen EE:The role of protein and amino acid supplements in the athlete’s diet:does type or timing of ingestion matter ? Curr Sports Med Rep 1(4):214-221,2002
6)横田 健一,加藤 茂明:トピックス ビタミンDと骨格筋,The Vitamin Society of Japan,8号,2010 8月
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