ワイドスクワット

運動

はじめに

女性にとって嬉しい効果があるとされているワイドスクワット。ここではワイドスクワットについて鍛えられる筋や効果について説明していきます。

ワイドスクワットにより強くなる筋

基本的にはノーマルスクワットと同様の筋に対して効果が期待できますが、特徴的なのはさらに股関節を内側に閉じる股関節内転筋群を強化することができるとされています。ノーマルスクワットは太ももの前面(大腿四頭筋)が特に強化されますが、ワイドスクワットは股関節内転筋群への効果が大きい印象を受けます。

※ノーマルスクワットの作用はこちらを参照してください→ノーマルスクワット

【股関節内転筋群】

股関節内転筋群という筋の名称はなく具体的には長内転筋、短内転筋、大内転筋、恥骨筋、薄筋で構成されます。これらは股関節を内転(股関節を内側に閉じる)するだけでなく股関節を屈曲(前に曲げる)する作用もあります。さらに薄筋は膝の関節をまたいでいるため膝を屈曲(曲げる)、内旋(内側に回す)する作用があります。

ワイドスクワットの効果

【シェイプアップ】

ノーマルスクワットでは大腿四頭筋が強くなるため太ももの前面が太くなります。ワイドスクワットは特に股関節内転筋群への効果が高いため、太ももの前面はそのままで内側をシェイプアップ(細くする)したい方(特に女性)にはオススメだと考えられます。

【姿勢改善(がに股の改善)】

高齢者は前かがみの姿勢になるほか、足が外を向くようないわゆる「がに股」の方もおられます。「がに股」になる原因はいくつかありますが股関節内転筋群が弱くなっていることも原因のひとつとして考えられます。

【O脚(変形性膝関節症)予防】

がに股により膝の内側への負担が強くなりO脚になる恐れがあります。このような2次的障害を防いでくれると言われています。ちなみにO脚は「足底腱膜炎」や「外反母趾」の原因とされています。

※がに股とO脚の違い

がに股:立位では大腿骨が通常より外にねじれているため、膝や足先が外を向いている状態。        O脚:立位で足部をつけたときに膝が変形し両膝がつかない状態。膝は正面を向いている。

ワイドスクワットの方法

①足幅を腰幅より広めにとり(1.5~2倍程度)、つま先は45°外側に向けて立ちます。背筋は程よく伸ばしておいてください。両手を胸の前で組んで姿勢を安定させます。

※足幅は大きくなるほど内転筋群への刺激が強くなり、幅が小さくなるほど刺激は弱くなります。また足幅を大きくすると股関節への負担が強くなりますので、行いやすい幅に調節して下さい。

②身体をまっすぐにしたまま太ももが床と平行になるまで腰をゆっくりと下ろしていきます。この時は息を吸いながら行います。

③太ももが床と平行になったところで元の位置まで戻します。この時は息を吐きながら行って下さい。慣れてきたら、戻す時に少し反動をつけて行ってみて下さい。内転筋の収縮は促されやすくなります。

※スクワットの動画に関してはこちら↓

注意点

  • 股関節や膝への負担が大きいので準備体操を行ってから実施して下さい。痛みが生じたら中止して下さい。
  • 大腿四頭筋への刺激としては実感としてノーマルスクワットの方が強いと感じます。大腿四頭筋の筋力増大を目指される方はノーマルスクワットの方が適しているのかもしれません。
  • 身体を下ろす時は息を吸って、身体を持ち上げる時は息を吐きながら行って下さい。筋肉が収縮するためには酸素を必要とします。息を止めてしまうと酸素が不足し筋肉が収縮するために必要な物質を作り出せなくなります。また息を止めることで急激に血圧が上昇したり、脳へ酸素が行き渡らなくなることでめまいが出現する恐れがあります。呼吸の重要性に関してはワイドスクワットに限らずほかの運動に関しても同様のことが言えると思います。

最後に

ワイドスクワットはシェイプアップのために女性に対してオススメです。また「がに股」などの姿勢の変化を感じはじめたら股関節内転筋群が弱くなっている可能性があります。そのような時にはワイドスクワットを試してみてはいかがでしょうか。

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