筋力増強運動(≒筋力トレーニング)で、鍛えたい筋の収縮する速さを意識しているでしょうか。ここではスロートレーニングに関する情報をまとめたのでお伝えします。
スロートレーニングとは
スロートレーニングとは常に筋収縮を起こしながらゆっくりと行う筋力増強運動の一つです。そのため、運動中は力を抜くことはなく、常に筋肉が収縮している状態です。筋肉を収縮させる時間に関しては先行研究では6秒(曲げる3秒、伸ばす3秒)が効果的と言われています(1。またスロートレーニングは膝や肘の関節を最終域の少し手前で戻す方法と組み合わせて行われることが多いようです。
スロートレーニングの効果
【高負荷トレーニングと同等の筋肥大を得られやすい】
先行研究によると被検者に対して「最大負荷に対して70%の負荷で1ストローク2秒(曲げる1秒、伸ばす1秒)のLeg extensionを反復回数10回で1セットとし3セット実施した群」と「最大負荷に対して40%の負荷で1ストローク6秒(曲げる3秒、伸ばす3秒)のLeg extensionを反復回数10回で1セットとし3セット実施した群」を比較したところ同等の筋膨張率が得られたとしています(1。
【関節への負担が減少するため怪我の予防につながる】
一般的な筋力トレーニングに比べ筋肉の収縮がゆっくりなため、関節痛や捻挫などの怪我を防ぎ安全に行うことができます。このため運動に慣れていない方や高齢者、女性でも取り組みやすいと思います。
デメリット
スロートレーニングは一般的な筋力トレーニングと比べ、低い負荷でのゆっくりな運動となります。したがって、瞬発力を高めることが目的になると一般的な筋力トレーニングの方が有用と考えられます。
まとめ
スロートレーニングは従来の筋力トレーニングに比べ関節への負担が少ないため、安全に運動を行うことで怪我の予防になります。筋肉の肥大を得られるものの、ゆっくりとした運動であるため瞬発力を高めるには効果が乏しいと考えられます。よって目的に合わせてトレーニングの種類を選択してみてはいかがでしょうか。
参考文献)
1)鈴木 桂輔,宮本 康弘:スロートレーニング時の筋活動の分析.ライフサポート,Vol.23 No.4:152-158,2011
コメント