こめ油について

食事・栄養

みなさん食用油は何を使っていますか。私は最近、こめ油を使うようになりました。身体に良いということはなんとなく聞いたことはありますが、具体的にどういったことが身体に良いのかをまとめてみました。

こめ油の成分

こめ油には以下の栄養成分が豊富に含まれているようです。

・ビタミンE

・オレイン酸

・リノール酸

・植物ステロール

・γ-オリザノール

・トコトリエノール 

私はこめ油の他になたね油やオリーブオイル、ごま油を使用することがあります。気になったので「日本食品標準成分表2020年版:文部科学省」で記載されている成分を比較してみました。

α-トコフェロールとリノール酸の比較だけでも他の油と比較して多いことが分かりました。因みにごま油にもリノール酸が豊富に含まれているようです。

こめ油の効果と特徴及び注意点

【ビタミンE】

ビタミンEは抗酸化作用があります。これにより心疾患の予防やアルツハイマー型認知症の遅延、パーキンソン症状の進行遅延が報告されています。その他にも様々な効果が報告されています。詳細はこちら→栄養素の働きと役割について

【オレイン酸】

オレイン酸は中性脂肪やコレステロールの改善の可能性が示されています。ただしオレイン酸も脂肪酸であるため過剰に摂取すると肥満のリスクが高くな注意が必要です。

【リノール酸】

リノール酸はn6-系多価不飽和脂肪酸の一つです。n6-系多価不飽和脂肪酸の中でもリノール酸を摂取した場合の心血管疾患の死亡率の低下が認められたという報告があります(3。このことから動脈硬化性疾患の予防の可能性があるようです。ただし他のn6-系多価不飽和脂肪酸の摂取による効果は不明のようです。脂肪酸の詳細についてはこちら→えごま油の力

【植物ステロール】

植物ステロールは構造や機能がコレステロールに似た植物由来の化合物でフィトケミカルの一種のようです。フィトケミカルはこちら→栄養素の働きと役割について

植物ステロールは悪玉コレステロール(LDL-C)濃度の低下などの作用があり動脈硬化症や心血管疾患のリスクを下げる効果があるという報告があります(2

【トコトリエノールとγ-オリザノール】

こめ油に含まれる不飽和ビタミンEトコトリエノールとフェルラ酸は相乗効果によりがん抑制作用があることが報告されています(1。フェルラ酸はγ-オリザノールを加水分解して得られる成分のようです(2

【油酔いについて】

東京工科大学の研究チームは油酔いの原因がリノレン酸にあることを証明したそうです。こめ油にはリノレン酸の含有量が無い(もしくは少ない)ため油酔いしにくいことが考えられます。

油酔いの原因について→大学プレスセンター ホームページ

【酸化、臭いについて】

ビタミンEの一部であるトコフェロールは不飽和脂肪酸の酸化を抑制することで臭気成分の生産を減少させるようです(4。こめ油にはα-トコフェロールが豊富に含まれているためいやな臭いがでにくいことが考えられます。

まとめ

こめ油には特有の栄養素が豊富に含まれていました。これらにより心臓病やがんの予防の効果があることが分かりました。一方で過度の摂取には肥満のリスクがあります。ほどほどの摂取を心がけていきたいです。私は卵焼きや炒飯を作った時にこめ油を使っていますが、あっさりして油の臭いもほとんどありません。一方、サラダなど香りを出したいときにはオリーブオイルを使うようにしています。料理によって使い分けるのが良さそうですね(^^)。

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参考文献)

1)永塚 貴弘,仲川 清隆,西田 浩志,宮澤 陽夫:こめ油成分を活用した相乗的ながん抑制効果.オレオサイエンス,第17巻 第6号:261-268.2017

2)谷口 久次,橋本 博之,細田 朝夫,et al:米糠含有成分の機能性とその向上.日本食品科学工学会誌,第 59巻 第7号:301-318,2012-7

3)動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版.日本動脈硬化学会:P.85

4)遠藤 泰志:食用油脂の臭気成分.日本油化学会誌,第48巻 第10号:173-180,1999

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